きみとイギリス暮らし|とあるイラストレーターのワーホリ・留学・海外移住ブログ

とあるイラストレーターのイギリス ワーホリ(ワーキングホリデー)と留学・海外移住についてのブログ

英語でトランスジェンダーの人を「ze」と呼ぶ⁉︎イスラム教徒は死刑?イギリスで出会った性の疑問について。

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3月に入り、まだ夜は冷えるものの晴れ間はとても暖かくなってきました。イングランド北部にも春がやってきたようです。


身体は男の子、心は女の子のArabicくん

さて、今日はトランスジェンダーについて少し真剣な話をしたいと思います。(知らない方にちょびっと補足:トランスジェンダーとは、簡単に言うと心と体の性の不一致のことを指します。)

というのもクラスメイトの男の子、Arabicくんが、いつも学校にマスカラやファンデーションをして来ているのです。ネイルも綺麗にお手入れして伸ばしていて、服装や立ち振る舞い、話し方もなんとなく男の子とは違う、いわゆるオネエっぽい感じ。

わたしが今日話したいのは「変な子!」とかそういうマイナスなことではなくて、彼と接していてふと湧いた疑問についてです。単純に彼(彼女?)をなんて呼んだらいいんだろう…と混乱してしまったのです。

今回のブログは苦手な人は回れ右ですよ〜

ちなみにわたしは学生時代からトランスジェンダーの友達が周りに多く、大学時代も心理学を学んでいたのでこのトピックについてすごくすごく興味があります。


トランスジェンダーの人の人称代名詞はなんだろう?

※なんと呼んだらいいのか未だにわからずにいるので一旦は便宜上「彼」としました。

クラスメイトの子たちと話していた時、ふと彼の話題になり、わたしはまだ出会ったばかりの彼の名前を覚えてなかったので「He」と言ったんですね。

でも、ここで心がもやもやもや。たしかに直接心のうちを聞いてはいないけど、確実に彼の心が「女の子」なのは間違いないのです。でも、Bodyは男の子。だから「He」なのか…?

日本だと「山田さん」「田中さん」って「さん」をつければ曖昧な人も呼ぶことができますよね。でも英語の三人称?人称代名詞?って絶対HeかSheで性を選択しなきゃいけない。なんかこれってちょっと難しいんじゃないかなって思いました。もやもやもや。

たとえわたしが彼の名前を覚えていたとしても、英語って毎回毎回名前を連呼しないし、「He」か「She」の三人称を使うし…。

トランスジェンダーのひと、「身体は男だけど心は女(MtF)」・「身体は女だけど心は男(FtM)」の人の呼び方って難しいんだなあって思ったのです。

Ze(ズィー)と呼ぶの?

Twitterでこんなことをぽつりと呟いたところ、イギリスに留学されていた方から「Ze(ズィー)と呼ぶんですよ」と教えていただきました。


Ze!?初めて聞いたので調べてみたところ、こんな記事を発見しました。

男でも女でもない三人称「ze」を使おう オックスフォード大学が推奨。「he(彼)」や「she(彼女)」ではなく「ze」というジェンダーニュートラル(性別不問)な人称代名詞を使用するよう推奨した。

~ ~ ~

「ze」という単語は、男女の区別なく第三者を表す人称代名詞「they」の単数形。「彼」でも「彼女」でもない、「ジェンダーニュートラル(性別不問)」な人称代名詞として、2015年頃から英語圏の国で使われ始めた。オックスフォード大学の学生組合が発行するリーフレットには、トランスジェンダー(心と体の性の不一致)の学生たちが気分を害してしまう機会をなくすため、「ze」という単語の使用を推奨していくと書かれている。

現在オックスフォード大学は提唱したことを否定しているそうですが、記事にかかれているようにやっぱりHeかSheだけの選択肢では気分を害す人もいるんですね。

Ze代名詞の活用法

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ちなみに代名詞の活用はこんな感じだそうです。ちゃんと所有格まであるんだなあ。

ホストファミリーに聞いてみたけど知らなかった

個人的にかなり衝撃的だった「Ze」。ホストファミリーとはよくLGBTについて話したりしていたのでわりと性に関大なタイプだから知っているかなと思い聞いてみましたが、そんな彼らも知らなかったようです。

2015年頃から使われ始めたって最近のことだし、まだ広くは浸透してないのかもしれません。大学や若い人の間では使われているのかなあ。

周りの反応が気になった

なんだかこういうことを書くのは難しいのだけど、やっぱり人によって色んな見方があるのねと改めて思ってしまいました。

「男なのに毎日化粧してきておかしいよね!◯◯くんといつも影でネタにしてるんだ〜」って笑う40代のアルゼンチーナさん。

「彼の顔ってすごく美しいよね。Arabicはマツゲも長いからマスカラが綺麗に映えて羨ましいな。」うっとりしている10代のアンゴラちゃん。

「男性用のアイライナーをGuylinerって言うのよ!?かなりCrazy!化粧する男とか信じられない!」生徒に化粧している子がいるのに気にせず言っちゃう30代のイギリス先生。

わたしは、トランスジェンダーと聞くと神秘的で、複雑で、苦しみを感じます。ぜったい大きな葛藤を抱えて悩んできた人が多いと思うし、思春期なんてすごく難しかったんじゃないかな。同情したいとかじゃなくて、ただただ彼ら・彼女らが差別されずに暮らせたらいいなとわたしは思います。

多国籍な語学学校でさえ偏見を持つ人もいて、なんだか少し悲しくなってしまいました。

イスラム教徒(ムスリム)の同性愛者は死刑!?

わたしが通っている学校はイスラム教徒(ムスリム)の子が特に多く、サウジアラビアクウェートオマーンカタール…たくさんのArabicの友達ができました。日本に住んでいたら全く関わることが無かったであろう子たち。

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それこそ目しか出してない全身真っ黒の布にすっぽり覆われた服を来て学校に来るお友達もいます。

そんな彼らと出会ってからムスリムについてたくさんたくさん調べました。宗教・文化いろんなことが違うってすごく面白いです。

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Arabicの文化についてはまた今度書くとして…。今回のテーマ「同性愛」はイスラム教では深く禁じられているそうなんですね。

同じイスラム教でも特に厳しいと言われているサウジアラビアには「宗教警察」というイスラム教のルールを厳しく取り締まる警察がいます。

そんなサウジの友達(女の子)に聞いたところ、サウジアラビアで生活するなら、男性か女性、どちらかを選ばなくてはならないよ。ミドルというものは存在しない。」と言っていました。

トランスジェンダーの人って周りにいる?と訪ねると「本では読んだことあるけど見たことも聞いたこともない」とのこと。この意見にはオマーンちゃん同意していました。

そもそもサウジアラビアを筆頭に敬虔なイスラム教徒の国って男女のコミュニケーションも禁じられているから異性と話すこともないし、異性のトランスジェンダーというのも見たことがないのだろうなあ…。

イスラーム教徒による性的マイノリティー迫害 - Wikipedia

ここには同性愛者は処刑されると書いてあるけど、サウジちゃんも言っていました「もし周りにミドルということがバレたらきっと監獄いきだと思う。」と。

事前にこのwikipediaを見ていたわたしは「死刑って書いてある記事を読んだけど本当?」と聞いてみましたが、彼女は死刑じゃないよ!そこまではしないよ!と否定していました。


彼女たちの話を聞いていると、日本で目にするイスラム教の情報が間違っていることが多々あります。リアルな彼女たちの国の話、文化の話、本当に興味深いです。

今回も、わたしは当然のように「死刑」だと思っていました。

彼女たちの「監獄行き」が正解なのか、wikipediaに書かれているように「死刑」が正解なのか…。イギリス人のホストファミリーも「イスラム教徒の同性愛者は即死刑だよね」と言っていました。

彼はいま人生を謳歌しているのかもしれない

わたしのクラスのZe、Arabicくん。彼はいま自分のミドルだという性を隠すことなくオープンにして暮らしています。

サウジちゃんたちと話していて、きっと人生を謳歌しているんだろうなあと気づきました。

もしかしたら生まれて初めてお化粧をして外で生活しているのかもしれません。とはいえ彼も永住権があるわけでもないので1年以内には母国に帰らなければなりません。

そう思うと、ちょっと涙ぐんでしまうのでした。



「イギリスではLondon、Edinburgh、BrightonがLGBTの人に寛容な場所だよ」とホストマザーが言った時、「I really want to go to London, because I love there.」と話してくれた彼のことを思い出しました。

彼が自由に暮らせるほど英語をマスターして、自分の性を決めつけることのない場所で、自分らしい生活を送れますように。




ではでは。